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研究科長メッセージ


危機管理学研究科長 福田 充 教授 写真

共に創る、新しい危機管理学

危機管理学研究科長・教授

福田 充

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(政治学)。
1995年の阪神淡路大震災以降、危機管理学の研究を始める。
コロンビア大学戦争と平和研究所客員研究員や内閣官房等で危機管理・国民保護に関する委員を歴任。

私たち人類は,世界で同様のリスクを共有する「グローバル・リスク社会」に生きています。先進国をはじめとして少子高齢化が進み,地球規模の気候変動により自然災害が激甚化し食料の安定供給が困難になるなど,新型コロナウイルスの感染症パンデミックだけでなく,リスクは簡単に国境を越えて世界規模で人類を襲っています。
 同時にポスト・トゥルース社会において,インターネットやSNSは陰謀論やフェイクニュースを大量に拡散することにより,民主主義社会においても市民の分断をもたらしています。何が「真実」(=トゥルース)なのかが不確かな時代において,生成AIやビッグデータなどのデジタルテクノロジーによるイノベーションも,ユーザーとしての現代人に対してより高度なリテラシーを求める状況を生み出しています。これらはすべて人類共通で普遍的なグローバル・リスクであり,こうしたリスクに向き合う人類の英知が,いま試されています。
 令和5年に誕生したこの日本大学大学院危機管理学研究科の修士課程(博士前期課程)は令和6年度をへて完成年度を迎え,新しいカリキュラムにおいて「新しい危機管理学」を追究します。またこの令和7年度から,大学院危機管理学研究科では博士後期課程を開設し,さらなる専門知を紡ぐ研究プラットフォームとして歩みを始めます。
 これまでの危機管理学のように,自然災害や大規模事故,テロリズム,戦争紛争,情報リスク,感染症パンデミックなど幅広く多様なリスクに対応するための「オールハザード・アプローチ」の姿勢は堅持しながら,またその危機管理学を構成する4機能モデルとしての①インテリジェンス,②セキュリティ,③ロジスティクス,④リスクコミュニケーションの機能的アプローチを柱として,同時に人々が幸せに生きることができる社会の構築に向けて,「安全・安心」の価値と「自由・人権」の価値のバランスをとりながら,人道主義(ヒューマニズム)や多様性(ダイバーシティ)を守るべき価値として確立する民主主義的な「危機管理学のリベラルアプローチ」を目指します。人々の自由や人権,人道主義,多様性を保障するためのコンプライアンス,ガバナンスの研究教育も,新しい危機管理学には求められます。
 こうした「新しい危機管理学」にもとづいた,より高度かつ専門的な研究教育活動により,その研究成果を社会に実装することで,社会のレジリエンスを高め,市民の幸福を作り出すことができます。「共に創る,新しい危機管理学」が,この日本大学大学院危機管理学研究科のキャッチコピーです。皆さんと共に,「新しい危機管理学」を創り上げ,共創社会,共生社会の確立に向けて前進したいと思います。
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