令和元年度後学期 第1回公開講座の開催報告
開催日時 | 令和元年10月4日(金)16時30分~18時15分 |
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表題 | 「地球と都市の気候変化」 |
講師 | 危機管理学部 准教授 山添 謙 |
20世紀に顕在化した人間社会を取り巻く環境の変化のうち、地球と都市の温暖化は「気候変化」として私たちにライフスタイルの変革を迫っている。本講座では、最初に地理学の立場から、気候と人間社会との関係について基本的視座を示した。
20世紀後半は、「人口爆発」を背景に世界で「都市化」が進展し、各地で「都市問題」が顕在化した。日本においても人口集中地区(DID)人口率は68.3%(2015年)に達し、多く市民が「都市問題」に関与している。
都市問題の1つが都市の温暖化であり、東京では20世紀に年平均気温の2~3℃の上昇がみられる。日本の都市では、冬季の夜間に都市の温暖化の影響が顕著に現れるが、大都市では、夏季の日中の高温でありかつ夜間に気温が下がりにくく湿度が高い都市の気候的特徴を反映し、熱中症のリスクが特に高いことを示した。
次に、地球温暖化の実態と温室効果のメカニズムを示したうえで、地質時代の気候変化の中に地球温暖化を位置付けた。その結果、20世紀後半以降みられる気候変化が急激であること、急激な気候変化が地球生態系に深刻な影響を与える可能性が高いことを示した。
最後に、「気候」および「気候変化」の術語について確認した。変化することが当然の「天気」と、生物の生存条件として位置付けられる「気候」との相違、「変動」と「変化」との相違を示し、急激な「気候変化」がカタストロフィーの可能性も考慮される「危機」であることを示した。
これらの点について「地球全体主義」、「自然の生存権」、「世代間倫理」などの環境倫理学的考察を試みる必要があること、地球と都市の気候変化に便利さ・快適さを追求する都市型のライフスタイルが強く関係しており、日本の都市居住者が当事者として深刻に受け止めなければならないことを提示した。
20世紀後半は、「人口爆発」を背景に世界で「都市化」が進展し、各地で「都市問題」が顕在化した。日本においても人口集中地区(DID)人口率は68.3%(2015年)に達し、多く市民が「都市問題」に関与している。
都市問題の1つが都市の温暖化であり、東京では20世紀に年平均気温の2~3℃の上昇がみられる。日本の都市では、冬季の夜間に都市の温暖化の影響が顕著に現れるが、大都市では、夏季の日中の高温でありかつ夜間に気温が下がりにくく湿度が高い都市の気候的特徴を反映し、熱中症のリスクが特に高いことを示した。
次に、地球温暖化の実態と温室効果のメカニズムを示したうえで、地質時代の気候変化の中に地球温暖化を位置付けた。その結果、20世紀後半以降みられる気候変化が急激であること、急激な気候変化が地球生態系に深刻な影響を与える可能性が高いことを示した。
最後に、「気候」および「気候変化」の術語について確認した。変化することが当然の「天気」と、生物の生存条件として位置付けられる「気候」との相違、「変動」と「変化」との相違を示し、急激な「気候変化」がカタストロフィーの可能性も考慮される「危機」であることを示した。
これらの点について「地球全体主義」、「自然の生存権」、「世代間倫理」などの環境倫理学的考察を試みる必要があること、地球と都市の気候変化に便利さ・快適さを追求する都市型のライフスタイルが強く関係しており、日本の都市居住者が当事者として深刻に受け止めなければならないことを提示した。